【スタートアップ】創業メンバーが辞める理由と対処法を解説

スタートアップにとって、創業メンバーは、会社のビジョンを共有し、共に成長していく存在です。

しかし、創業メンバーが突然辞める事態に直面すると戸惑う経営者も少なくありません。

今回の記事では、スタートアップの創業メンバーが辞めてしまう主な理由を掘り下げ、万が一の事態に備えるための対処法について解説します。

目次

スタートアップの創業メンバーが辞める理由

スタートアップにおける創業メンバーが辞めるのに特に多く見られる3つの理由を解説します。

  • 自身のスキルと会社のフェーズが合わなくなる
  • 自分の利益ばかりを優先してしまうから
  • 創業時から理念や価値観が変わった

自身のスキルと会社のフェーズが合わなくなる

創業メンバーが辞める理由の一つは、自身のスキルと会社のフェーズが合わなくなるからです。なぜなら、スタートアップは成長フェーズによって求められる役割やスキルが大きく変化するからです。

創業初期は、プロダクトのアイデアを形にし、柔軟な発想力やスピード感、情熱が重要になりました。しかし、事業が軌道に乗り、組織が拡大すると体系的なマネジメントや、効率的な業務遂行能力が求められるようになります。

組織の拡大とともに自分の役割を見失ったりして辞めるケースは多くあります。

自分の利益ばかりを優先してしまうから

スタートアップの創業メンバーが辞める理由として、自身の個人的な利益を追求するようになるケースも挙げられます。

事業がある程度成長し、会社の財務状況が安定すると金銭的なインセンティブや将来のストックオプションに対する考え方が変わってくるからです。

たとえば、自分がより多くのストックオプションを得られるはずだと主張したり、役職や給与に不満を抱くなど、会社の成長よりも個人の利益を優先するようになります。

他のメンバーとの間で軋轢が生じ、結果的に辞めることになります。

創業時から理念や価値観が変わった

スタートアップの創業者メンバーが創業時から理念や価値観が変わってしまうのも辞める理由の一つです。

創業当初は同じビジョンや価値観を共有していたはずの創業メンバーも、事業の成長とともに、それぞれの考え方にズレが生じることがあります。

例えば、

  • プロダクトの方向性
  • 顧客への向き合い方
  • 組織の文化など

事業に関する重要な意思決定において意見の相違が大きくなると、創業メンバー間の信頼関係に亀裂が入ります。

創業メンバーの離職は、単なるスキルや役割のミスマッチではなく、会社の中核をなす理念や価値観のズレに起因することも多いです。

創業メンバーの辞める前の対処法

スタートアップの創業メンバーの離脱は、会社にとって大きな痛手です。しかし、適切な対処をすれば、その影響を最小限に抑えることが可能です。

  • 創業メンバーとコミュニケーションをとる
  • 裏切りを許さない関係を構築する
  • 役割や責任を明確にする
  • 創業期は、リーダーの強い統率力が必要
  • 優秀な人材は社内の環境で育てる
  • 株主間の関係性を明確化する

創業メンバーとコミュニケーションをとる

スタートアップの創業メンバーが辞める前にできることは、日頃から創業メンバーと密にコミュニケーションをとることです。

定期的に一対一で話す時間を設け、仕事の進捗だけでなく、個人的なキャリアの目標や、会社に対する考え、懸念点などを率直に話し合う機会を作りましょう。

創業メンバーと裏切りを許さない関係を構築する

スタートアップの創業メンバーが辞める前にできることは、深い信頼関係で築くことが大切です。

これは単に仲が良いというレベルの話ではなく、お互いの能力や価値観を深く理解し、尊重し合う関係を意味し、トラブルを未然に防げます。

認識のズレが大きくなる前に軌道修正ができ、互いに裏切りと感じるような状況を回避できるでしょう。

役割や責任を明確にする

スタートアップの創業メンバーが辞めるのを防ぐ方法の一つとして、役割や責任を明確にしておくことです。

事業の成長に伴って、各メンバーの役割は変化していきます。創業期には多岐にわたる業務を担っていたメンバーも、組織が大きくなるにつれて、専門的な役割を任されるようになります。

そこで、それぞれの役割と責任を明確に定義し、定期的に見直しすればメンバーが自分の立ち位置や貢献度を理解しやすくなります。

創業期は、リーダーの強い統率力が必要

スタートアップの創業メンバーが辞める前にできることは、リーダーの強い統率力が必要です。

創業期は、まだ組織のルールや文化が確立されていません。ビジョンを明確に示し、メンバーを一つの方向に導くリーダーシップがなければ、チームはバラバラになってしまうからです。

意思決定を迅速に行い、その理由を丁寧に説明することで、メンバーからの信頼を勝ち取ることも重要でしょう。

優秀な人材は社内の環境で育てる

スタートアップの創業メンバーが辞めた時を考えて既存のメンバーを育成することも対策の一つです。 

創業メンバーが離脱したとしても、その穴を埋めることができるからです。

外部から優秀な人材を連れてくることも重要ですが、最も効果的なのは、次世代のリーダーを社内で育てておくのがいいでしょう。

具体的には、メンバーが新しいスキルを学び、挑戦できる機会を積極的に提供しましょう。メンター制度を導入したり、社内勉強会を定期的に開催したりすることで、メンバーの成長を促すことができます。

株主間の関係性を明確化する

スタートアップの創業メンバーが辞めるのを防ぐ方法の一つとして、金銭的な関係や株式の保有比率について、明確にしておくのが重要です。

特にスタートアップでは、ストックオプションや持株比率に関する認識のズレが、トラブルに発展するケースがあるからです。

創業初期に、誰がどれだけの株式を保有するのか、どのような条件でストックオプションが付与されるのかなど、あらゆるシナリオを想定した上で、関係性を明確に文書化しておくといいでしょう。

退職後のサポート体制を整える

スタートアップで創業メンバーが辞めることになったとしても、退職後のサポート体制を整えておくのもおすすめです。

良好な関係を保てていれば、将来のパートナーになる可能性も秘めているからです。

例えば、業界のネットワークを紹介したり、再就職のサポートをしたりなど、次のキャリアを応援する姿勢を示すことで、互いに良い関係を築くことができます。

共同創業者の誰かがチームを去ることになる可能性は28.6%

共同創業者が家族や友人である場合、一人増えるごとに共同創業者メンバーが離脱する可能性が28.6%増加することが、400のスタートアップを対象とした調査があります。

この要因は、個人的な関係性と仕事上の利害が混同され、チームの安定性を損なうためだと考えられています。創業チームの安定性は「元同僚 > 知人 > 家族・親友」の順に高いというのがわかっています。

【スタートアップ】創業メンバーが辞める理由と対処法まとめ

創業メンバーの離職は、スタートアップにとって辛く、難しい問題です。しかし、日頃からのコミュニケーションを怠らず、各メンバーの役割を明確にし、創業メンバーの退職後のサポートも視野に入れておくことで、会社にとってより良い未来を築くことができます。

会社の成長を支える柱として、創業メンバーとの良好な関係を築き、維持するために、何ができるかを考えてみましょう。

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