Indeed「求人版Google」から「求人版Amazon」へ?Indeed PLUSがもたらす変革

近年、求職者と企業のマッチング方法に大きな変化が起きています。その中心にあるのが、世界最大の求人検索エンジン「Indeed(インディード)」です。これまで「求人版Google」とも呼ばれていたIndeedですが、新たなサービス「Indeed PLUS(インディードプラス)」の登場により、「求人版Amazon」へと進化しようとしています。
本記事では、indeed今後の採用の移り変わりを解説していきます。

目次

Indeedのこれまでの歩み

Indeedは、インターネット上に存在する膨大な求人情報を集約し、求職者がキーワードや勤務地などで検索できるサービスを提供してきました。その利便性から、多くの求職者が利用し、求人検索のデファクトスタンダードとしての地位を確立しました。いわば求人版Googleのようなポジションです。

Indeedの強みは、以下の点が挙げられます。

  • 幅広い求人情報
  • 高度な検索機能
  • 使いやすいインターフェース

幅広い求人情報

Indeedの最大の強みは、その圧倒的な求人情報の多さです。大手企業から中小企業、派遣、アルバイトまで、あらゆる雇用形態の求人情報を網羅しています。これにより、求職者は自分の希望に合った求人を簡単に見つけることができます。

高度な検索機能

Indeedは、求職者が求める条件に合わせて求人を絞り込める、多彩な検索機能を提供しています。キーワード、勤務地、給与、雇用形態など、様々な条件で検索できるため、効率的に求人を探すことができます。

使いやすいインターフェース

Indeedのウェブサイトとアプリは、シンプルで使いやすいインターフェースが特徴です。直感的な操作で、誰でも簡単に求人検索や応募ができます。スマートフォンアプリも提供されており、外出先でも手軽に求人情報をチェックできます。

Indeed PLUSの登場:求人版Amazonへの転換

2024年3月より中小企業求人部.がIndeed PLUS(インディードプラス)に参画しました | 株式会社ジーエスコンサルティングのプレスリリース

Indeedは現状に満足せず、さらなる進化を目指しています。その鍵となるのが、2023年に発表された「Indeed PLUS」です。Indeed PLUSは、Indeedが新たに導入した求人配信プラットフォームです。Indeed PLUSを利用することで、タウンワークやリクナビNEXTをはじめとしたIndeed PLUS連携求人メディアネットワークと連携されます。

Indeed PLUSは、従来の求人検索に加え、以下の機能を提供します。

より多くの求職者にリーチできる

Indeed PLUSの最大の特長は、複数の求人サイトと連携し、広範な求職者ネットワークにアクセスできる点です。これにより、企業は一つのプラットフォームで、様々な層の求職者に対して自社の求人情報を効果的に発信できます。

企業の人事担当者は、今まで色々な求人サービスを使う場合、案件ごとに求人広告を作らなければなりませんでした。Indeed PLUSは、求人情報を国内主要求人サイト利用者の最大約7割に届けることができ、より多くの求職者に自社の求人情報を見てもらえる可能性が高まります。

従来の求人活動では、複数の求人サイトに個別に情報を掲載する必要があり、時間と手間がかかりました。しかし、Indeed PLUSを利用することで、一度の投稿で複数の求人サイトに情報を掲載でき、効率的な求人活動が可能になります。

以下に、Indeed PLUSと従来の求人方法との比較表を示します。

項目Indeed PLUS従来の求人方法
掲載範囲複数の求人サイト個別の求人サイト
掲載の手間一度の投稿で可能個別の投稿が必要
リーチできる求職者層幅広い層個別のサイトのユーザー層
費用対効果高い個別のサイトによる

このように、Indeed PLUSは、従来の求人方法と比較して、より効率的で効果的な求人活動を支援します。Indeed PLUSは、求人情報の露出を最大化し、企業と求職者のマッチング精度を高めるための強力なツールです。特に、中小企業や採用担当者のリソースが限られている企業にとって、この機能は大きなメリットをもたらすでしょう。

AIによる高度なマッチング

Indeed PLUSのもう一つの大きな特長は、AIによる高度なマッチング機能です。この機能は、求職者のスキル、経験、希望条件と、企業の求める人材像をAIが解析し、最適なマッチングを実現します。Indeed PLUSでは、各求人情報がどの求人サイトに出されるかは、Indeedが15年以上にわたって洗練させてきたマッチング技術によって、自動で決定されます。そのため、企業が作成した求人情報は、Indeed以外の求人サービスのユーザーも含む、より多くの条件に合う求職者の目に触れることになり、より効果的な応募に繋がりやすくなります。

従来の求人サイトでは、キーワード検索や簡単なフィルタリング機能が主流でしたが、Indeed PLUSのAIマッチングは、より複雑な要素を考慮に入れます。例えば、求職者の職務経歴、スキルセット、希望する職種や勤務地だけでなく、企業の文化や価値観との適合性も評価します。これにより、企業はより自社にマッチした人材を見つけやすくなり、求職者も自分の能力や希望を最大限に活かせる職場を見つけやすくなります。

AIマッチングの精度を高めるために、Indeed PLUSでは以下の要素が活用されています。

  • 職務経歴とスキル分析: 求職者の過去の職務経験や保有スキルを詳細に分析し、企業の求める要件との適合性を評価します。
  • 希望条件の解析: 求職者が希望する職種、勤務地、給与などの条件を解析し、合致する求人情報を優先的に表示します。
  • 企業文化との適合性: 企業の従業員レビューや企業情報を分析し、求職者の価値観や働き方の希望と企業の文化との適合性を評価します。
  • 選考ステータスの反映:採用担当者が、応募者の選考ステータスを更新することで、AIが学習し、マッチングの精度が向上します。

これらの要素を組み合わせることで、Indeed PLUSのAIマッチングは、単なるキーワードマッチングを超えた、より高度で精度の高いマッチングを実現します。

以下に、AIマッチングを活用することによるメリットを示します。

メリット説明
マッチング精度の向上AIが求職者と企業の要件を詳細に分析し、最適なマッチングを実現します。
採用効率の向上企業は、より自社にマッチした人材に絞ってアプローチできるため、採用活動の効率が向上します。
求職者の満足度向上求職者は、自分の能力や希望を最大限に活かせる職場を見つけやすくなります。

このように、Indeed PLUSのAIマッチングは、企業と求職者の双方にとって大きなメリットをもたらします。特に、採用担当者の負担を軽減し、より効果的な採用活動を実現するために、AIマッチングの活用は不可欠と言えるでしょう。

企業と求職者の直接的なコミュニケーション

Indeed PLUSは、企業と求職者間の直接的なコミュニケーションを促進する機能も充実しています。従来の求人サイトでは、応募後の連絡手段がメールや電話に限られることが多く、タイムリーな情報共有が難しい場合がありました。しかし、Indeed PLUSでは、チャット機能やビデオ面接機能など、より多様なコミュニケーションツールが提供されており、企業と求職者はよりスムーズかつ効率的に情報交換を行うことができます。

特に、チャット機能は、応募に関する質問や疑問をリアルタイムで解決できるため、求職者の不安を軽減し、応募意欲を高める効果が期待できます。また、ビデオ面接機能は、遠隔地に住む求職者との面接を可能にし、企業の採用範囲を広げることにも貢献します。

さらに、Indeed PLUSでは、企業は求職者に対して個別のメッセージを送信したり、求職者のプロフィールを閲覧したりすることもできます。これにより、企業はより積極的に自社の魅力をアピールし、求職者もより自分に合った企業を見つけやすくなります。

以下に、直接的なコミュニケーションを促進する機能の例を示します。

機能説明
チャット機能求職者とリアルタイムでメッセージのやり取りができます。
ビデオ面接機能オンラインでビデオ面接を実施できます。
個別メッセージ機能求職者に対して個別のメッセージを送信できます。
プロフィール閲覧機能求職者のプロフィールを詳細に閲覧できます。

これらの機能を活用することで、企業は求職者とのコミュニケーションを円滑にし、より効果的な採用活動を行うことができます。

このように、Indeed PLUSは、企業と求職者間の直接的なコミュニケーションを促進する機能を充実させることで、より透明性の高い採用プロセスを実現します。特に、求職者との信頼関係を築き、優秀な人材を確保するために、これらのコミュニケーションツールを積極的に活用することが重要です。

応募者の管理が一元化(ATS)

インディードプATS
一度の求人投稿で国内主要求人サイト利用者の最大約7割にリーチされる

Indeedプラスは、応募者の情報を一元的に管理するATS(アプティケント・トラッキング・システム)機能を提供しています。

ATSとは・・・(アプティケント・トラッキング・システム)とは、採用管理システムや採用支援システムのことです。応募者や求職者の情報を一元管理することで、採用業務の効率化を図ることを目的としています。

これまでは、それぞれのサービスの専用システムで応募者の情報を管理する必要がありました。IndeedプラスのATS機能により、企業は応募者の基本情報、職務経歴、選考状況などを一目で確認でき、効率的な選考活動が可能になります。Indeed PLUSのおかげで、求人広告の作成は一度で大丈夫になり、各求人サービスの応募者の管理や予算の管理をIndeedやIndeed PLUSと連携した採用管理システム(ATS)の管理画面上でできるようになります。

各媒体の応募者の選考状況が管理できる

  • 応募者の履歴書
  • 職務経歴書
  • 面接評価
  • 予算管理

データベースで一元管理ができれば、人事の仕事を効率化することに繋がります。リアルタイムで確認することができるので選考状況がカンタンに把握できます。選考に関わる全ての担当者が、いつでもどこでも最新の応募者情報にアクセスできるため、担当者間での情報共有の手間もなくせます。また、応募者の情報は形式が統一されて企業に届くので、応募書類を比較しやすくなり、たくさんの候補者の中からその会社に合う人を、しっかり且つ迅速に採用することが可能になります。

クリック課金型で求人広告費を大幅削減

従来の求人広告は、掲載期間や掲載枠に応じて費用が発生する「掲載課金型」が主流でした。しかし、この方式では、応募者の有無に関わらず費用が発生するため、特に中小企業やスタートアップ企業にとっては大きな負担となることもありました。

そこで注目されているのが、Indeed PLUSの「クリック課金型」広告です。この方式では、求職者が求人広告をクリックした際にのみ費用が発生するため、無駄な広告費を抑え、効率的な採用活動が可能になります。

Indeed PLUSのクリック課金型広告は、以下の仕組みで求人広告費を削減します。

クリック単価の最適化

IndeedのAIが、求人広告のパフォーマンスや競合状況などを分析し、最適なクリック単価を自動調整します。これにより、無駄なクリックを抑制し、費用対効果を高めることができます。興味のある求職者のみに広告を表示し、クリック課金型で費用が発生するため、無駄な広告費を削減し、費用対効果を高めることができます。

予算設定

1日あたりの広告予算を設定できるため、予算オーバーを心配する必要はありません。また、必要に応じて予算を柔軟に変更することも可能です。

掲載結果の分析

Indeed PLUSの管理画面では、求人広告の表示回数、クリック数、応募数などのデータをリアルタイムで確認できます。これらのデータを分析することで、広告効果を把握し、改善に繋げられます。

Indeed PLUSを使う方法

Indeed PLUSの利用には、有料オプションである「スポンサー求人」の利用が必須です。料金体系はクリック課金型です。

Indeed PLUSを使う方法は、以下の2つがあります。

  • Indeedに直接求人投稿を行う
  • Indeed PLUS連携ATSを使って求人票を作成する

どちらの方法でも、Indeed PLUSの機能を利用することができます。

直接募集情報を載せる場合

直接募集情報を載せる場合は、普段の募集情報掲載の手順で進め、Indeedの有料広告(スポンサー求人)を選びます。具体的な手順は以下の通りです。

  1. Indeedのサイト内で「求人を掲載」を選んでアカウント作成画面に進む
  2. 自社の情報を入力してアカウントを作る
  3. 画面の指示に従い募集情報を入力する
  4. スポンサー求人の使用を選んで予算を設定する

Indeed PLUSと連携したATSを使う場合

Indeed PLUSと連携したATSから始める場合も、全体の流れはほぼ同じです。

  1. Indeed PLUSと連携したATSの管理画面で募集情報を投稿する
  2. 作成ガイドに従って企業情報と募集情報を入力する
  3. 予算を設定後、募集情報の有料掲載を始める

Indeed PLUSと連携したATSを使用する場合、ATSの運営会社がIndeedの代理店であれば、運営をサポートしてくれることがあります。自社のみでIndeed PLUSを使うのが不安な場合や、より良い結果を出したい場合は、ATSの運営会社に相談してみることをお勧めします。

Indeed PLUSの今後の展開

Indeed PLUSは、まだ始まったばかりのサービスですが、今後ますます機能が充実していくことが期待されます。Indeed PLUSを利用することで、より多くの求職者にリーチし、採用を成功させる企業が増えることが期待されます。

Indeed PLUSの登場は、求職者と企業のマッチング方法に大きな影響を与える可能性があります。

  • 求職者: より自分に合った求人を見つけやすくなり、効率的な求職活動が可能
  • 企業: 求める人材に効率的にアプローチでき、採用コストを削減可能
  • 人材業界: 求人広告や人材紹介などの既存サービスに変化が生まれる可能性

まとめ:Indeedは人材業界のプラットフォームになるか

Indeed PLUSは、まだ始まったばかりのサービスであり、今後の展開は未知数です。しかし、その革新的な機能は、人材業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
Indeedが求人版Amazonとして、人材業界のプラットフォームとなるのか、今後の動向から目が離せません。
Indeed PLUSは、求人企業にとって非常に便利なツールです。まだ利用していない企業は、ぜひ一度試してみてください。

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